発熱
発熱

発熱は、お子さまによくみられる症状の一つです。一般的に37.5℃以上を発熱、38.0℃以上を高熱と考えます。ただし、体温の高さだけで重症度が決まるわけではありません。大切なのは、「水分がとれているか」「尿が出ているか」「呼びかけへの反応はよいか」「呼吸が苦しそうでないか」など、全身状態をあわせて確認することです。日本小児科学会のこどもの救急でも、発熱時にはぐったりしている、呼吸が苦しそう、顔色が悪い、生後3か月未満であることなどが重要な受診判断項目として示されています。
発熱の多くは、かぜなどのウイルス感染症によるものです。発熱は、体がウイルスや細菌と闘っている反応でもあり、必ずしもすぐに熱を下げる必要はありません。解熱剤は「熱を治す薬」ではなく、つらさを和らげるための薬です。水分がとれていて、機嫌が比較的よい場合は、慌てず経過をみることもあります。
一方で、発熱の原因には、インフルエンザ、溶連菌感染症、胃腸炎、中耳炎、肺炎、尿路感染症、熱中症など、治療が必要な病気が含まれることもあります。特に乳幼児では、症状がはっきりせず、発熱だけで尿路感染症や肺炎などが見つかることもあります。
次のような場合は、早めにご相談ください。
特に、生後3か月未満の赤ちゃんの38.0℃以上の発熱は、重い細菌感染症が隠れていることがあるため、早めの受診が必要です。
かぜ、ウイルス性上気道炎では、発熱に加えて、咳、鼻水、のどの痛みなどがみられます。多くは数日で自然に改善します。インフルエンザでは、急な高熱、強いだるさ、頭痛、関節痛、筋肉痛を伴うことがあります。抗インフルエンザ薬は、発症から48時間以内に開始すると効果が期待されやすいとされています。
突発性発疹は、乳幼児に多く、38〜40℃前後の発熱が3〜4日続いた後、解熱とともに発疹が出ることがあります。溶連菌感染症では、発熱、のどの痛み、発疹、いちご舌などがみられることがあり、抗菌薬による治療が必要です。尿路感染症では、乳幼児では発熱以外の症状が目立たないこともあります。必要に応じて尿検査を行います。
熱性けいれんは、主に乳幼児で38℃以上の発熱に伴って起こるけいれんです。多くは5分以内に自然に止まりますが、5分以上続く場合や、けいれん後も意識や顔色が戻らない場合は救急対応が必要です。日本小児神経学会も、5分以上続くけいれんでは救急搬送が必要な状態と説明しています。
当院では、発熱の経過、診察所見、全身状態を確認し、必要に応じて迅速検査や血液検査、尿検査、胸部X線検査などを行います。インフルエンザ、新型コロナウイルス、溶連菌、アデノウイルス、RSウイルス、マイコプラズマなどは、症状や流行状況に応じて抗原検査を検討します。また当院ではPCR検査機器(15種類の病原体を同時検出可能)を院内に設置しており、必要に応じて検査を行います。
発熱の患者さんに対しては、感染対策に配慮しながら診療を行います。当院では、感染と非感染の待合室と診察室が分かれており、安心して受診していただけるよう努めています。「高熱が続く」「水分がとれない」「ぐったりしている」「発疹が出てきた」「けいれんを起こした」など、不安な症状がある場合は、早めにご相談ください。体温だけでなく、お子さまの全身状態を丁寧に確認し、必要な検査と治療をご提案します。
